もものお見送り、気持ちはどっち?

もう行くの?

朝、私が出かけようと階段から降りていくと、ももが、自然と玄関先に来ます。

「もも?」

行くの?

ももは私が出かけるのが分かるのかな?

私が出かける姿をももに見せると、ももは淋しがるのではないかと思い、私はももに、居間に戻るように言います。

「もも、向こうに行きなちゃい!」

どこ行くの?

それでも、ももは玄関から離れません。

ももは私が行ってしまうのがきっと淋しいのね?

私は一度履いた靴をまた脱いで、もものほうに近寄ります。

すると、ももは後ずさりして、居間へ戻っていきます。

やっぱり行かないの?

私はももの姿が見えなくなったので、その隙に急いで靴を履いて家を出ます。

ももに出かける姿を見せたくないのです。

後ろ髪を引かれる思いで外門を出て、駅へ向かいながら、もものことを想います。

ももは私が行くのが淋しいんだね、カワユイね。

しかし、一瞬よぎります。

いや、もしかして、私が出かけていくのを見張っていたのかも。

「よし、アイツ出かけたな」

と、まるで邪魔ものが消えたくらいに思って、ノビノビ過ごしているんじゃないか?

駅に向かう道すがら、そんな思いがよぎるのでした…

やっと静かに寝られるワン!

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